【第7話】みやび君、初月の売上に驚く

前回のあらすじ【第6話】 みやび君、挨拶周り

 

【第6話】みやび君、挨拶周り

 

営業もかねて、前職の職場に挨拶に伺った、みやび君。

 

仕事が出来る自分に仕事がこないはずがない。自身に満ち溢れるみやび君は、いつも通りに小太り社長と会話を楽しんでいた。

 

もちろん、仕事の依頼が来た。特に驚くことはない。

 

依頼主の小太り社長からすれば、互いに分かり会った存在で、期待した仕事を期待通りにこなしてくれるのは見えている。頼まないわけがない。

 

次に、元得意先のゴルゴ社長に挨拶に行った。ゴルゴ社長の現場には何度も入ってきたし、気心も知れている。以前からみやび君を可愛がってくれていた。

 

ゴルゴ社長からすれば、独立したての若者を自分の近くにおいて置き「都合よく使える」ように育てておきたい思惑もある。

さて、みやび君はそんな裏事情も知らず仕事が獲得できたのは全て自分の能力だと勘違いしている。もちろん、みやび君の能力に違いないのだが、勘違いしたままでいいのか!?

 

 

【第7話】みやび君、初月の売上に驚く

 

起業して約1か月が経った。

主に小太社長とゴルゴ社長から仕事の紹介を得ていたが、その2社からの仕事の依頼だけでも毎日忙しかった。

 

サラリーマンの時と違ったのは休みの日でも仕事があるということ。サラリーマンの時は休日に仕事があると、損した気分になったものだ。

 

給料はその分増えたかもしれないが、家族の時間を削られることが嬉しいとは思えなかった。

 

だがしかし、今はどうだ。

土日の子供のとの時間は少し減ったものの忙しいことに満足している自分がいる。不思議な気持ちだったが自分自身で全責任を負って仕事をすることに大きな喜びを感じている。

 

そのために多少は家族を犠牲にしているかもしれないが、それは「仕方のないこと」と割り切った。

 

月初になり初めての請求書を作ることになった。

 

請求書の作り方が分からなかったがインターネットで調べて、適当なフォーマットをパソコンにダウンロードしてそれを使用することになった。

 

請求書の枚数は3枚だが、合計金額を集計するとサラリーマン時代の月収を超えていた。土日に働くことがあったものの、平日の仕事時間もそれほど長くはないにも関わらずにだ。

 

請求書を印刷し、それを手に取り、眺めているだけで嬉しかった。独立して良かった。起業して良かった。自分の価値を確かめる瞬間だった。

 

不安もあったが、チャレンジして良かった。

 

妻と子供は既に寝ているため、一人でビールを飲みながら喜びを噛み締めた。誰かに喜びを分かち合いたいが相手がいない。これが経営者の孤独というやつか。

 

未来に待ち受ける本当の孤独とはどういうものか知らない私はこの時、幸せだったのかもしれない。

 

 

その後も、仕事を任せてもらえて毎日仕事があるようになった。

 

他にも変化があった。

 

よく飲みに誘われるようにもなり、夜に接待と称して出かけることが増え、夕方6時を過ぎると妻に「仕事にいってくる!」と言って出かけるようになった。

 

休日はゴルフに誘われるようになり、朝早くから取引先の社長たちとラウンドを回り、一汗かき、風呂に入り、ビールを飲んで帰る。そこでは仕事の話をして、新しい仕事の受注につながっている。

 

平日の夜は、ゴルフの腕を上げようと打ちっ放しに出かける。本当に毎日忙しくて有難い。小太り社長もよく飲みに行っていたが、今ならその理由が分かる。

 

これまでは18時半には家につき、2歳になる可愛い娘とお風呂に入り、一緒にご飯を食べる生活だった。その生活もつつましくも幸せだと思っていたが、今は今でパワフルな人生を生きていると思え、満足している。

 

その中でも、気になることはあった。

 

私のことを「パパ~」と手を広げて抱っこを求めてくれた娘が、抱っこを要求しなくなった。

 

寝る前に妻と2人で絵本を読む習慣も少なくなり寂しい思いをさせているかもしれないと不安にはなるものの「今は、ママが大好きな時期」と思い込み、私は仕事に熱中した。

 

妻もそのことについて何も言ってこないし、私の状況を理解してくれているのだと思っている。

 

お金に関して言えば、これまでは仕事をした分の給料が自動的に振り込まれていたが、今では自分で請求書を作り、請求書を送り、請求した金額が振り込まれる。

 

給料の時は、どういう内訳だったのか分からないが、毎月の似たような手取金額が振り込まれていた。今では自分が仕事を獲得し、自分で仕事をこなし、自分が請求した分がキッチリ振り込まれてくる。

 

「やりがい、とはこういうことか」

 

毎月振り込まれてくる売上金から妻に生活費を渡していた。金額はサラリーマンの時とほぼ同じ金額。今までもそうしていたし、何の迷いもなくそうした。

 

そうしたとしても、お金が減っている感じはしなかった。残ったお金は必然的に私のお小遣いになった。

 

起業して自由になるお金を手に入れることが出来たのは、思わぬ発見だった。もう1杯ビール飲みたいと思っていたのに今までは我慢していたが、その必要もなくなった。妻には遠慮せず、好きなだけビールを買い、飲むことが出来る。

 

あ~~~なんて幸せなんだ~~~~~~~

 

がんばっている?みやび君

 

 

通帳に振り込まれる売上金

 

初めて請求書を作成し、それを発送する。

その請求金額がいつ振り込まれるのか、本当に振り込まれるのか不安になります。

 

サラリーマンの時には味わえない感情です。

 

自分で値段を決めて、その決めた通りの金額で請求する。そして、それがそのまま自分の生活費となる。独立した後に感じるワクワクとドキドキ。

 

さて、サラリーマンの時の通帳に振り込まれていた給料と、独立してから通帳に振り込まれる売上と何が違うのでしょうか。

 

手取りという考え方から見ていくと、

 

サラリーマンの時は給料の額面から「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」「所得税」「住民税」が天引きされていました。会社によってはそれ以外の天引きもあるかもしれません。

 

そして、天引きされた後の金額が自分の手取額となり、その手取額で生活費をまかなうという構造でした。

 

一方で、独立してからの売上金はどうでしょうか。

 

100万円請求すると100万円の入金があります。この100万円から材料費や外注費や光熱費などの必要経費を支払う。残ったお金は全て自分のものなのでしょうか?

 

「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」「所得税」「住民税」は?

 

「健康保険料」「介護保険料は」いくら?どうやって決まるの?

「厚生年金保険料」はどうなるの?

「雇用保険料」は払わなくてもいいの?

「所得税」「住民税」はいくら?いつ払うの?

その他に何があるの?

これを分かっていますか?

ここをはっきりさせないと、資金繰りが見えてきません。個人事業主の資金繰りが難しく、分かりづらい点はここにあります。

 

サラリーマンの時は会社が全部代わりに計算し、代わりに納付してくれていました。自分の「健康保険料」がどのようにして計算され、いつ納めていたか知っていますか?

 

多くの人は知らないでしょう。考えなくても良かったのです。通帳に振り込まれた金額が自分の使えるお金。単純明快です。誰でも分かります。

 

つまりサラリーマンの時は何も知らなくても仕事が出来たのです。会社が仕事に専念できるようにサポートしてくれていたのです。

 

しかし起業すると、これらは全部自分でやらなくてはいけません。誰も代わりにやってくれませんし、お節介にいちいち教えてもくれません。

 

ところが、こんなことを言う人がいます。

 

「そんな支払いがあるって知らなかった」

「今から払えって言われても、金がない」

「やり方が分からない」

 

中には怒り出す人もいます。誰も教えてくれなかったと怒っても、払いたくないと怒っても、起業してからは全責任は自分にあります。それなのに誰かのせいにしようとしたって、どうしようもありません。誰も耳を傾けてくれません。同情はしてくれても、その責任を負うのは自分。

 

知らなかった人が悪い。シンプルに「知らなかった人が悪い」のです。

 

起業するということは華々しいことばかりではなく、地味な側面もあります。ただ、面倒な話や、耳の痛い話には目を背けてしまうのが人間というもの。

 

誰だって、面倒なことをしたくありません。

自分の思うとおりに仕事がしたい、自分の思うとおりに生きたいと思って起業した人もいるでしょう。

 

ただ、法律がそれを許しません。

税金は払いたくないと税務署へ行って駄々をこねても「それは大変ですね。でも税金は払え!」と言われて終わりです。

 

だから、自由に仕事がしたければ、起業した後のルールを学習するのです。知ればいいのです。

 

本を読んだり、ネットで調べたり、Youtubuを見たりするのです。でも、どれだけ一人で学習しても、本当のことは分かりません。

 

自分にとって何が正しくて、何が正しくないのか判断がつきません。人に相談しても、自慢話や本当かどうか分からない話ばかりで、安心が出来ません。

 

だから、私たちのような税理士がいるのです。

 

我々は顧問料という形で毎月お金を頂きます。無理に商品を売りつける必要がないから、お客様にとって何が良いのかを客観的に判断することが出来ます。

 

もし、私たちが、商品を売らなければいけない状況にあるとしたら、不必要な商品を売りつけるでしょう。その精神状態だと、お客様の利益の最大化のために知恵を絞れるわけがありません。

 

毎月の顧問料とはそのためにあるのです。

 

私たちは、いらないものはいらない、と答えます。損得を抜いた状況で、純粋な気持ちで話がしたい、相談がしたいという方は、雅税理士事務所にご連絡下さい。

 


 

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