【RPA導入1】RPAの導入からの感動、そして悲しみ

抱える問題

 

雅税理士事務所がRPAを導入したのは令和1年冬。RPAとは何か?については自分で調べて下さい(笑)

 

簡単に言うと、パソコンが勝手に動いて、代わりに仕事をしてくれる、ものです。

 

RPAの導入を考えているけれども、一歩踏み出せない人は参考になると思いますので読み進めて下さい。

 

RPA導入時、

プログラミングが出来る人材がいたわけではないし、プログラミングに興味があったわけでもなかったです。

 

税理士事務所は高度な専門的な仕事の他に、単純作業が多量にあります。その多量の仕事に忙殺されて、税理士事務所がやるべき顧問先のフォローがままならなくなります。

 

私たちもその問題を抱えていました。

私たちは試算表を作成すると、顧問先に「財務分析報告書」となるものを送付します。財務分析報告書はこちらをご覧ください。https://miyabi-z.jp/highlight

 

「財務分析報告書」を作成するためには会計ソフトの中からデータを抽出する必要があります。

 

そのデータを財務分析報告書の作成元となるExcelシートに貼り付けて、そこから計算が始まり報告書が作成されます。

 

とても簡単な単純作業なわけですが、間違いは許されません。間違いがあると正しい財務分析報告書の作成ができなくなります。

 

それはお客様に間違った情報を与えてしまうことにつながります。それは避けなければいけません。

 

例えばPCA会計での比較表を出力する時の指示画面です。この画面にはチェックするところがたくさんあります。

 

 

このチェックボックスを適切に設定しなければ財務分析報告書は正しく作成されません。そして会計ソフトが変われば設定のルールが変わります。

 

「いやいや、それは作業手順を覚えればいいじゃないか!」という簡単な話なのですが、人間はミスをする生き物です。

 

間違えてはいけない作業を大量にこなすことは人間のやることではない、と私は思っています。それは機械が得意とする分野であり、人間のやるべき分野ではありません。

 

人がやっている時は、作成した財務分析報告書の何回かに1回は間違ったものを作成してしまいます。これは所長がやっても、新人のスタッフがやっても同じです。人は間違うのです。

 

しかし、仕事として10回のうち1回間違うのでは評価されませんし、たった1回のミスのために顧客に損失を与えるかもしれません。

 

そのため、たった1回のミスのために何度もチェックする必要があります。

 

ここに大きな無駄を感じていました。

 

■絶対に間違わないために所長がやり続ける。

■スタッフに作ってもらい所長がチェックする。

■チェックをせずにそのまま納品する。

 

色々考え、試しましたが、無駄な時間が多かったと思います。何とかしたいと日々悩んでいました。

 

 

メール送信が命取り

 

財務分析報告書を作成した後も、問題がありました。慎重に慎重に慎重を重ねて行わなければいけない仕事でした。

 

財務分析報告書を作成した後、メールまたはLINEにて顧問先にお届けします。つまり、送信には相手先を指定しなければいけません。

 

もし、送信先を間違えたら?

 

この不安と毎日戦っていました。

 

私たち税理士は顧問先の重要な情報を扱っています。人によっては誰にも見られたくない情報もあります。その情報を間違った相手に送信してしまったら?

 

何度も言いますが、人は間違う生き物です。ミスを犯す生き物です。これは誰しも共通です。間違わない人などいません。

 

A社は田中さんと中田さんに送信するが、B社は田中さんにのみ送信する。

 

このようなルールがあったとしましょう。

 

財務分析報告書は年12回送付予定ですから、1年間に12回のミスを犯すタイミングがあることになります。このようなルールがたくさんあったとしたら、どうでしょうか?100回、200回、300回と一度も間違うことなくやり遂げられる自信のある人はいるでしょうか?

 

 

絶対に間違えてはいけない仕事なのに、人間がやると必ず間違う。もはや解決しようのない問題を抱えていました。

 

人間に仕事を任せていては、いつか間違うのです。

 

その間違いが許容できものであれば、リカバリはできるかもしれませんが、私たちが扱う情報は顧問先の重要な情報です。間違えは許されません。他の会社に自分の業績を"勝手"に送られて嬉しい人などいません。

 

財務分析報告書の送信は所長や顧問先のことをよく分かっている人にしか任せられない仕事になっていました。

 

ただ、メールを送信するだけの作業に、仕事が出来る単価が高い人をあてなければいけない。

 

ただ、送信するだけ。決まったルールに従って同じことを繰り返すだけの仕事。でも間違えてはいけない。

 

「送信」ボタンを押すたびに、どうにか出来ないものか考えていました。

 

 

東京で出会ったRPA

 

まだ令和になる前

東京で初めて参加する税理士の集まる会がありました。

 

名古屋に研修を受けにいき、とある税理士の先生から誘われて参加した会。

 

そこに研修講師として現れたのが同年代の税理士。その人からRPAの紹介がありました。実際に動いている動画を見せてもらい、何をRPAにやってもらっているのかを説明を聞きました。法人設立関係の届出書をパソコンが勝手に作成しているのを目の当たりにして、体が震えました。

 

気持ち悪くなりました。

 

RPAがあれば、今抱えている問題を解決できる。と、同時に私たちに仕事がロボットに代替えされるイメージがわきました。

 

ワクワクと恐怖の感情が同時にやってきました(笑)

 

その後、しばらくしてから研修講師だった税理士の先生に直接連絡をとって事務所見学をさせて頂く約束をし再度東京へ。実際にRPAが動いているパソコンを見せてもらいました。

 

ボタンをワンクリックすると、パソコンが勝手に動き始めました。感動しました。次の予定があったので、色々聞きたいことも全て聞けず、後ろ髪をひかれるように事務所を後にしました。

 

 

タクシーを乗って次の予定に向かっている間、RPAをやりたくて仕方なくなりました。RPAの料金もそれほど高額ではないし、心の底では導入することを決めていました。

 

しかし、プログラミングの経験者が雅税理士事務所にはいませんでした。

 

 

10年前に出会っていたRPA

 

実は私はこの10年前にプログラミングが出来る友人と一緒にアプリを作ったいたことがあります。

 

そういえば、その当時もRPAのように勝手にパソコンが動いていました。

 

当時からRPAとなるものがあったようですね。

 

アプリの作成において私は指示するだけで、プログラミングなんて出来ません。友人に好き勝手言っていると

 

「X軸とY軸をはっきりしてもらえる?」

「手順がしっかりしていないと作れないから、何となくとかはやめて」

 

こんなことを言われたのを覚えています。

 

アプリの作成は途中で断念したものの、当時の記憶が蘇ります。当時は専門的な知識がないと出来なかったのが今はRPAで素人でも作成が可能!と言われていました。

 

果たして出来るのか?

 

RPAを紹介してくれた税理士は「私もマクロとか出来ませんがRPAは出来ましたよ」と言っていましたから、地球上に誰か1人でも出来るなら自分も出来ると考える私ですから、きっとできる!と信じました。

 

 

RPAのデモ版

 

RPAの導入前にデモとして1週間ほどRPAを借りました。

 

作り方など分かりません(笑)マニュアルもないです(笑)

 

RPAアプリの画面を見て、何をしたらいいのかが分かりませんが、とにかくやってみよう!ということで、朝早く来て一人で作成を始めました。

 

最初に作ってみたのはOUTLOOKを起動し、メールを送信するロボット。

 

これがですね、簡単に作れるんですよ。1時間もかからなかったと思います。

 

■OUTLOOKを起動

■新規メール作成

■宛先を指定

■件名を記入

■本文を記入

■送信

 

このような簡単な流れのロボットです。スタートボタンをワンクリックすると、パソコンが勝手に動き出してメールを送信しました。

 

事務所で一人感動したのを今でも鮮明に覚えています。

 

こんなことがあっていいのか。すごすぎる!

 

PRAは今、悩んでいることを解決してくれる救世主に感じていました。

 

9時になり事務所スタッフが出勤してきたので、「ワンクリックでメールを勝手に送信するロボット」を披露しました。私はワクワクです。

 

事務所スタッフから返ってきたのは

 

 

 

「・・・・」無言ですね(笑)

 

ふーん。それの何がすごいの?だから、何?私に一体何の関係があるの?

 

という反応。

 

涙が出そうなくらいの感動から一転、悲しみに打ちひしがれました。

 

続く

 


RPAの導入を検討されている場合は、雅税理士事務にお問い合わせください。

 

不安もあるでしょうから、最初は一緒に作ってみませんか?

 

 


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