【第14話】みやび君、家庭崩壊の危機②

前回のあらすじ【第13話】みやび君、家族崩壊の危機①

 

【第13話】みやび君、家族崩壊の危機①

 

家族のために必死で働いた、みやび君。

 

しかし、突然、妻は家から出ていった。何が悪かったのかが分からない。

 

家族のために、家族を想って、頑張ってきたことが妻には伝わっていない。自分にも悪いところがあったとは思うが、怒って出ていくほどのことでもないと思っている。

 

みやび君はどうすれば良かったのだろうか。

 

仕事量を抑えて、支払いに追われれば良かったのか。何が正解だったのだろうか。

 

 

【第14話】みやび君、家庭崩壊の危機②

 

「ママは?」

 

娘は家の中をキョロキョロ見まわしていた。何と声をかけていいのか分からない。

 

「ママは朝早くにお出かけしたよ」と苦し紛れの嘘をつく。そんなことで納得するわけもなく、娘は泣き出した。

 

「マジかよ。勘弁してくれよ」と、うな垂れる私に目もくれず娘は泣き続ける。

 

「保育園から帰ってきたらママは戻ってきているからね」と娘をなだめ、何とか朝食を食べさせ着替えさせた。娘をなだめながら思ったが「保育園のお迎えは私がするのか?」

 

朝の段取りは何とかできそうだが、夕方の段取りはどうしようか。仕事がある。どうしたらいいのだろうか。

 

作業服姿で何とか保育園に娘を送ることはできた。保育園の先生に「今日はパパの送迎なのですね。帰りはどうされますか?」と聞かれ「私が来ます」と答える以外の選択肢が見つからなかった。死んでいる私の目を見た先生は何も言わず笑顔で頷いた。

 

保育園に娘を送った後、すぐに現場へ向かった。幸い小太り君の現場だったため、遅れることを事前に連絡を入れることが出来ていた。

 

妻は私の知らないところでたくさんのサポートをしてくれていることに気が付いた朝だった。謝らなければいけない。それだけは確かなことだった。

 

昼休みに小太り君に昨晩のことを相談した。いつも陽気な小太り君は真剣な顔で話始めた。

 

「お前は誰のために仕事してんだよ…」昨日、妻から言われたことと同じ言葉だ。

 

「もちろん、家族のためですよ」自分で発した言葉に胸が痛む。

 

小太り君は大きなため息をついた。

「お前の気持ちは分かるぞ。俺も同じだったから偉そうなことは言えない。だがな・・・」

 

小太り君も以前、同じ事件が起きたそうだ。

 

起業すると、毎日仕事のことしか考えられなくなった。取引先のこと、従業員のこと、お金のこと、毎日問題が勃発し、悩みごとは絶えない。ストレスはたまる一方で、しわ寄せが家族のほうに向かったそうだ。

 

小太り君の場合は、子供が小学生だったこともあり、子供が学校でのいじめや不登校も経験したという。幸せな顔をしていない子供の顔をみて、涙が止まらなかったそうだ。家族のために働いていたはずなのに、自分のせいで家族を不幸にしてしまったことは悔やみきれない。そこで仕事の時間をセーブし、必ず休みの日を作り家族と過ごす時間を作ったそうだ。

 

家族と向き合い始めてから、子供の不登校もなくなり、今では立派な大人になっているとのこと。

 

他人の話を聞いていると、いかに自分が自分のことしか考えていなかったことが分かって、恥ずかしくなった。

 

「絶対に奥さんと子供を不幸にはするな」

 

保育園にお迎えにいけるように、早めに仕事を切り上げることも許してくれた。夜の飲み会もキャンセルさせてもらった。急いで帰り支度をしている私に「帰ったら奥さんに謝りなよ」と声をかけてくれ、小さくうなずき娘を迎えに保育園へ向かった。

 

保育園につき、ドキドキしながら娘がいる部屋にむかう。私を見つけた娘は「パパ―ーー」と手を広げて走ってきた。私は娘をギュッと抱き上げた。娘はとても嬉しそうな顔をしている。

 

保育園の先生から小声で「奥様から連絡ありまして、今日は夫が迎えにいくと思いますので、よろしくお願いします」と連絡を頂いたことを伝えて頂いた。安心して力が抜ける。

 

「ママは?」と満面の笑みで聞く娘に「うん、帰ってきているよ」と笑顔で答えた。

 

家に向かう途中、娘は「パパはやい、パパはやい」と私が早く帰ってくるのが嬉しいのかはしゃいでいた。「きょういっしょにおふろ」とおねだりしてくる娘を見て、私が犯してきた過ちを心の底から後悔した。

 

家につくと、良い匂いがする。晩御飯の準備をしている妻がいる。

 

妻の前に行き「昨日はごめん。俺自分のことしか考えてなかった。これからは家族のことも考える」と頭を下げ謝った。

 

妻は少し笑いながら「あなたが頑張っているのはわかっているのよ。こっちこそ昨日はごめんね。熱くなっちゃった。でも、家族の時間を作ってくれるのはうれしいかな」

 

涙があふれてきた。妻も泣いている。娘は笑顔で私たちを見つめていた。

 

「やっぱり俺は家族のために頑張るんだ。そしてこれからは仕事だけじゃなく家族との時間も大切にしよう」みやび君はそう固く誓うのであった。

 

がんばれ!みやび君

 

 

何をやっても上手くいかない

 

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寝ても覚めても仕事のことを考える。経営者であれば当たり前のことだと思います。自分のリソースの多くを仕事に捧げることは、おかしなことでもありませんし、珍しいことでもありません。

 

朝から晩まで仕事漬け、仕事中毒。起業し、ビジネスを軌道に乗せるまで、多くの人はこれを経験します。そして経営者として成長していきます。

 

また色々やってみて、自分に出来ること出来ないこと、得意なこと苦手なことを知っていきます。何を任せるのか、自分でやるべきことは何かを知っていくプロセスです。

 

みやび君もそのプロセスの中にいます。

後で振り返れば、なんてことのない起業の一部なのですが、置かれている本人はそれに気が付きません。だって、初めて経験することですから。

 

一生懸命働き、生活できるレベルまで稼げるようになったと思った。しかし、実際は生活できるレベルではなかった。そして、次はどうしたらいいのか模索している。もっと働くべき、もっと仕事を増やすべきと仕事に精を出す。そして成果を上げつつある。しかし、家庭に問題が起きた!上手くいっているはずなのに上手くいっていない。

 

みやび君は混乱の中にいます。

 

この混乱を整理するには時間が必要です。

みやび君に起きている本当の問題とは何なのか?

 

自分であればどのように対処していきますか?

 

■もっと働かないと生活できるレベルに達しない

■もっと働くと家族がバラバラになる

 

今起きていて、みやび君が認識している事実です。

 

これを解決していくプロセスを今からしていくことになります。

 

人によっては、そもそも仕事が少なすぎる場合があります。本人は忙しい(と思い込んでいる)ので、これ以上どうしようもないと感じていますが、そもそもの活動量が少なすぎるのです。

 

これは本人の忙しいという感覚がズレているので、この補正が必要になります。起業した人で上手くいっていない人の多くはこのパターンかと思います。

 

ただ、本人は「自分は正しい」と思っているので、補正は大変です(笑)信じていたものは本当は間違っていたという事実を突きつけられて「それは大変だ!すぐ変革を起こそう!」と思える人であれば、そもそもとして上手くやっています。上手くいっていないということは、ズレているのですが、「ズレている」ことを本人が認識できません。

 

 

また、一方では、仕事量は多く、本当にフル稼働しているのに、大して儲からない場合もあります。これは、顧客の選定が悪かったり、価格が安すぎることが考えられます。行動力もある人でしょうから修正を加えていけば、改善されるのですが、問題は本人が忙しすぎること。

 

目の前にある仕事にフル稼働ですから現状を認識するための時間が持てません。

 

何かを捨てて、時間の使い方を変えることが出来るか。今起きていることをじっくり見つめる時間を持つことが出来れば、あっという間に変わるでしょう。

 

ただ、この場合の起業家というのは色々やりたい、やってみたい人でしょうから、捨てること、省くことは苦手ですので、これまた困難を極めます。

 

起業家は全ての分野について社内では突出した能力を持っています。これは社内の全てのことを経験したのはその起業家しか存在しないし、一番経験値が多く一番頑張ってきたため、当たり前です。

 

ただし、自分が突出した能力を持っているが故に、他が全て劣って見えてきます。劣って見えると、任せることが出来ません。信用出来ません。完ぺきじゃなくなります。

 

完ぺきじゃないが故に、自分でやろうとし、自分の仕事が増えていく。

 

周りが「バカ」に見えている経営者は要注意ですね。

結局、何やったって上手くいかないんじゃないか!(怒)ってツッコミがありそうですが、そもそも人は全ての分野のスペシャリストではないんです。

 

得意・不得意があり、不得意なことは出来ません。頑張っても出来ないのですから、頑張ることがおかしいんです。

 

不得意なことを認識し、人に任せる勇気、コストをかけても採算が余裕で合うビジネスを作れるかどうかが大事です。

 


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