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経営者としての道を一歩踏み出したみやび君。
単価を上げるために既存の仕事を断るべきか、それとも続けるべきか。どちらに進んでも良い未来が待っている保証はどこにもない。
その真実を突き付けられて怯むみやび君。何も決めずに流れに身を任せたい気持ちになるが、それだと未来は何も変わらない。これも確かなことだった。
自分の時間が限られていることが重くのしかかる。何も考えずに、仕事を繰り返してきたことが悔やまれるが、それがあったからこそ、次の課題が見えたともいえる。
また、一つのことを決めることが、こんなにも勇気が必要とされるなんて考えてもみなかった。経営者の華やかな部分ばかり気にかけていたが、裏では大きなプレッシャーを抱えていたなんて、普通の人は分からないだろう。
みやび君は、自分の責任で正解か不正解か分からない道を進んでいく。では、続きをみていきましょう。
我が社の経営方針。たった一人の会社の経営方針が決まった。
決めるのには、それ相応の覚悟を必要とした。
【わが社の経営方針】
①○○を軸にして事業を展開する
②何でもやるので仕事下さいは封印
③税理士と決めた単価を意識する
④単価の低い仕事はやらない
実際に言葉にすると人に見せるのが恥ずかしい経営方針。でも、今の自分が決めることが出来た精一杯だ。
この方針を守って今日から営業再開する。
自信があるかといえば・・・ない。不安なら数えきれないほどある。考え出すと嫌な気持ちになり、逃げだしたくなる。
だって、今までは何でもやりますと言ってた自分が、急に○○しかやらないと言うのだから。そんなことが通用するはずがない、と止めてくるもう一人の自分も存在する。
それに、今までは金額について言われるがままだったのに、今度からは自分から金額を提示する。そりゃあビビりますよ。自分が拒否されるんじゃないかと怖いですよ。
でもね、家族の為にやるって決めたんです。男みやびはやる時はやるんです。そう自分自身を奮い立たせた。
まずは報告も兼ねて、一番の得意先の小太り君にこれまでの流れと我が社の経営方針を報告した。小太り君は我が社の会長職になっている。
「なるほど。いいと思うよ。みやび君と同じスキルあったら俺でもそうするよ」
「ありがとうございます。そこで、お願いがあるのですが…」
「何?紹介でも欲しいの?」間髪いれずに答える小太り君。
私の想いを察する能力にいつも驚かされる。
人を見れば、何を欲しているのかを察知する能力が小太り君にはある。私は自分自身で一杯一杯だ。
「そっ、そうです!本当にいつも頼ってばかりですいません」自分が思っている通りの返事をもらえて嬉しいし、驚いている。
「しょうがない奴だな。上手くいくかは分からないけど、山崎社長に言っといてあげるよ。ただし、厳しい人だから気を付けてね」
「ありがとうございます。小太りさんの顔に泥塗らないように誠心誠意尽くします!」
得意の傾斜90度のお辞儀をしながら、小太り君に心の底から感謝した。
本当に小太り君にはいつもお世話になってばっかりだ。絶対に恩返しをしなければいけない。
税理士といい、小太り君といい、恩返しをしたいと思える人たちが増えていく。人に助けられてばかり。自分だけで出来たことなんて何もない。自分の力の無さが悲しいが、今の自分がやるべきことは結果を出して必ず恩返しをすること。
次の営業先は山崎社長か…実は、山崎社長は開業した当初一度営業に行っている。
得意の「何でもやりますので仕事下さい営業」を実行したが一度も仕事を頂いていない。なぜ仕事が頂けなかったのか理由も分からない。
山崎社長は確か60歳くらいで、自分より20歳以上年上。正直何を話したらいいかよく分からず、前回は挨拶のみで帰った記憶がある。
今回はさらに自分でハードルを上げているので、本当に大丈夫だろうか?
それでも行くしかない。やるぞー。失敗してもいい。やってやれないことはない!
自分を奮い立たせて、山崎社長との面談に望んだ。
小太り君に言われた指定の日時に出向いた。20分前に到着して、緊張からか落ち着かずに会社近くをうろうろ徘徊した。
定刻の1分前になったところで、受付の女性社員に案内され、社長室に入った。
「山崎社長、ご無沙汰しております!みやびでしゅ」緊張しすぎて、最初からかんでしまった。
「おっ、みやび君、よく来たね。社長から聞いているよ。入って入って」
受付の女性がホットコーヒーを2人の間に置き、私の目をまっすぐ見て「砂糖とミルクはご自由にお使い下さい」と優しい声と軽い会釈を私に投げかけてくれたため、私も女性に会釈した。ニッコリ笑ってくれる女性社員。緊張が緩和されるようだ。私もこんな素敵な事務員さんを雇えるようになりたい。
「で、今日はどうした。というか開業してからどうだい?」
みやび君はこれまでの事を簡単に話した。緊張しすぎて見栄をはることも出来ずに、それこそありのままを話した。
恥ずかしい気持ちなどないし、自分の全てをさらけ出した。変な駆け引きをするより、自分の場合は素直に表現したほうが人から良く見られることを妻から教えてもらった。その通りに実行した。
「ははは。みやび君、君は面白いな。自分の若いころを思い出すよ。俺なんて若いころ子供と一緒にいた記憶なんてないぞ。それぐらい一生懸命だったな。家族に沢山迷惑かけたが毎日が充実していたよ」
それから、山崎社長は自分の起業した時の話を聞かせてくれた。他人の起業の話を聞くのが、とても有意義だった。
山崎社長は勤めていた建設会社から独立。当時の社長とは喧嘩別れのような形で起業したそうだ。社長とは意見が合わず、自分の思うとおりにやってみたい気持ちが強かった。でも独立当初はうまくいかず、馬車馬のように働き、家族にも多大な迷惑をかけたとおっしゃっていた。上手くいかない、自分の能力が足りない、悔しい気持ちで、安定しない毎日で苦しかったそうだ。
みやび君には、大社長に見える山崎社長。ここまで来るのに、どれほどの苦労があったかなど、みやび君には計り知れなかった。
「ごめんごめん。みやび君の話聞いたら、自分のこと思い出してとまらなくなったよ。それで今日の本題は何だい?」
急に部屋の空気が変わった。
「あっ、あの…」
急に振られて焦った。頭が真っ白だ。何でもします営業時代は定型文があったので簡単だった。自分をアピールするのか?どうしたらいいのだ?
しかも、この場は完全に山崎社長にペースを握られている。後から振り返っても何を話したか覚えてない。
それでもやるしかない!
みやび君は自分の出来ること、自分が今後やっていきたい事業について必死に説明した。上手に説明できたわけじゃないが、自分の思いの丈を正直にぶちまけた。
「なるほど…分かったぞ。じゃあ試しに一回仕事を頼もうか!」
「えっ。いいんですか?」嬉しい反面、なぜ仕事を依頼されたのか分からなかった。
「いいぞ。社長からは、お前のこと良いやつだって聞いているし。俺の会社ではお前の得意なその○○は、かなり需要あるしな」
「ありがとうございます!ありがとうございます!」嬉しさのあまり椅子から立ってお礼をした。山崎社長は驚いている。座るように促されて席に戻る。
「あの、こんなこと聞くのもおかしいんですが、今回は営業に来るのが2回目ででして…前回は何でもしますって挨拶させて頂いた時は、仕事頂けなくて、そ、それで何で今回は仕事頂けたのかなって。伺ってもいいですか?」しどろもどろになりながらも、自分の聞きたいことを聞けた。
「お前急に図々しいな」山崎社長は怒っているのか、冗談で言っているのか判断できない。
「すっ、すいません。今後の為に教えて頂けたらなって…」仕事がもらえる本当の理由が分からなければ次につながらない。私も必死だ。
「まあぶっちゃけて言うと、みやび君のこと今日まで忘れてたんだよな。前に営業に来たかもしれないけど、あんまり覚えていないんだよ。印象に残らなくて」何でも出来るというのは印象に残らないものなんだなぁ。そういうものなのか。
「何でもしますって営業にくるやつなんて結構いるのよ。こっちからするとさ、"それで、お前何できんの"って感じよ。今回はじっくり話してみやび君の人となりもなんとなく分かったし、悪いやつじゃないことは分かった。情熱も感じる。まずは、それで十分だ。何よりお前の得意な○○はうちの会社に需要があるんだよ」
山崎社長は真剣な顔だった。この人の仕事は絶対に手が抜けないと感じた。これが山崎社長の魅力か。
「ありがとうございます!勉強になります」
「じゃあ次の現場についてはまた連絡するから。よろしくな!」
それからみやび君は数えられないくらいのお礼と会釈をし、山崎社長の会社を後にした。
新営業スタイル記念すべき第1回目が終わった。
お世辞にも上手くやれたとは言えない。でも結果は出た。一歩前進したのだ。
今後このスタイルでやっていくんだ。
みやび君はこの時全く気付かなかったが、後から山崎社長に聞くとこの下手糞な営業が山崎社長には好印象だったようだ。
飾らない態度、素直な表現、自分の得意なことを熱意をもって説明してくれたこと。テクニックに頼らず、ありのままをさらけ出した姿に若い時の自分を重ね合わせたようだ。
嬉しかった半面、営業というのはお願いするだけじゃないことを学んだ。人には心が揺れ動かされる瞬間があるのだ。
また、これも後日山崎社長と飲みに行った時に聞いたのだが小太り君から紹介を受けた時点でほぼ発注することは決めていたようだった。
小太り君から紹介ならまぁ大丈夫なやつがくるだろうなってことと、みやび君よりよっぽど上手で簡潔なプレゼンを小太り君から既に受けていたそうだ。
みやび君は、自分の情けなさと小太り君の偉大さ、そして紹介を頂けるということの重要性を知ることになった。
そして、紹介を頂けるような仕事をしようと心に誓うのであった。私はこれを紹介営業と呼ぶことにした。
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起業した人は「紹介」が喉から手が出るほど欲しい。自分が欲しい仕事を、自分が欲しい価格で受注できる人を紹介して欲しい。これが本音。
大事なことを言います。紹介をもらえない人はよくお読みください。
紹介してもらえる人と、紹介してもらえない人には決定的な違いがあります。
その違いを見ていきましょう。
まず、紹介の登場人物は紹介者、見込客、自分の3人。オンラインで集客する場合は、紹介者がオンライン上の記事や動画になります。
ここではリアルな世界で紹介をもらえる考え方を見ていきましょう。
紹介をもらえない理由はとても簡単です。
■登場人物のうち、自分しか見ていません。自分しか見えていません。
小学生の時までに教えてもらう「相手の立場に立って考えなさい」ということが実践できない人たちです。紹介してくれるのは人です。人には感情がありますから、その感情を大切に出来ない人には紹介はやってきません。相手は何に困っていて、何を求めているか、この視点を日々意識してください。
■紹介者は勝手に紹介してくれると勘違いしている。上から目線。
自分が紹介して欲しいんだというメッセージを出していません。自信がないのか、謙虚さが足りないのか、恥ずかしいのか。理由は不明ですが、紹介して欲しいかどうか分からないのに、積極的に紹介なんてしません。これは簡単なことです。「紹介してください」とお願いしてください。
■仕事が雑
紹介をもらった後、仕事の質が良くない。精一杯取り組まない。100%の力を出さない。手抜きをする。これは論外。
■行動力がなさすぎる。
少し行動しただけで、わんさか紹介がもらえると期待している。何人にお願いすれば何件紹介が頂けるか分かりますか?多くの人は数人にお願いして、紹介がもらえず諦める。まずはどのくらいの量の行動をしたら、どのくらいの仕事が増えるのか測ってください。まずはそこからです。
このように色々理由はありますが、一番の問題は周りが見えていないことでしょう。
紹介を継続してもらえる人は、どのような人でしょうか。重要なものを挙げてみましょう。
■紹介者を大事にする
見込客に誠実に対応し、顧客になった場合に質の高い仕事を提供するのは当たり前。ここをクリアするのが当然の前提で、見込客を大事にしなければいけません。紹介してくれた人は、どういう理由で紹介してくれたのでしょうか?それを知っていますか?そしてその望みを叶えられるようにしていますか?自分のことばかり考えていませんか?
■レスポンスを大事にする
見込客に対しても、紹介者に対してもです。紹介者は本当に紹介して良かったのか悪かったのか、迷惑だったのか喜んでくれたのか心配します。そんなことをお構いなしに、紹介者に対して何ら報告をしない人もいます。紹介者を大事にしてください。当たり前のことなのですが、この当たり前のことをやれない人がいます。
■継続して紹介を頂ける連鎖を作る
紹介者があなたのファンになれば?紹介者から紹介してもらった見込客があなたのファンになってくれたら?
紹介が欲しいが、紹介がもらえないような人は、ぜひ雅税理士事務所の1on1の面談を受講して下さい。仕事が増えるヒントを見つけることが出来ます。ヒントを答えにしてぶっちぎって下さい。
紹介を得られる仕組みというのは、いきつくと人間の感情にいきつきます。紹介したくなる人、紹介したくない人。小さな会社が安定して売上をあげるために、クリアしなければいけないことです。
自然に仕事が増える人は、元から出来ている人たち。自然に仕事が増えない人は、出来ていない人たち。出来ていない人の中にも、ちょっとしたボタンの掛け違いで上手くいかない人も多い。私たちはその人たちの力になれます。
仕事を紹介してもらうと大きな責任を伴います。紹介者も紹介された人も期待します。その期待に応えなければいけないプレッシャーは計り知れません。
でも、そのプレッシャーを乗り越え続けないと紹介は続きません。
私たちの顧問先の中にも「営業なんてしたくない!」と言っていた人が私たちとかかわることで「営業したくなってきた!」と言うようになる場合もあります。それはいったいなぜなのでしょうね。
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