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事業が好調のみやび君。
好調のはずなのに、お金周りは好調ではない?
自分が日々感じている感覚と税理士が作る数字が一致しないことを知る。その理由を知ろうとしても、難しいことばかりで理解が追い付かない。いつものようにインターネットで調べるが、言葉が分からない。だから言葉を調べるが…
結局、理解したくても、その時間も十分にとれない。だから税理士に任せるしかない。信じるしかない。
自分が把握できないことが増えていく中でも、前に進まなければいけない恐怖や不安を抱えながら、次のステージに向かっていきます。全ての答えが見えた状態で、会社から守られていた状態とは全く違う生き方を知っていくみやび君。
みやび君は、どのように進んでいくのだろうか。
紹介営業がなんとなく板についてきた。頭を下げて仕事をもらうこともあったが、自分が得意とする、自分が売りたいと思っているものを売ることができるようになってきた。
不思議な感覚だったが、自分の得意なことを提供すると、今までよりも日々が充実しているように感じた。
爽やかな疲れで、明日も頑張ろう!と思えた。これまでは、疲れが重く、朝起きるのもつらく、イライラしていたように思う。
同じ仕事をしているのに、何を提供するのか?自分がこのようなことを考える日が来るなんて過去の自分からは想像できなかった。
それに自分ではよくわかってはいないが、税理士からも事業の内容はかなりよくなったと褒められる。私のことを褒めてくれるのは、税理士くらいだ。
同業者は「すごいな!」とは言ってくれるが、私の内情をしっているわけではないし、妻も応援はしてくれるがそれは家族からみたひいき目線でしかない。ビジネスを客観的に見てくれる税理士は貴重な存在だ。
税理士は業績を見たうえで、人に見せるのが恥ずかしいお金を洗いざらい見せて、評価してくれるため、褒められるととても嬉しかった。
お金は余っている訳ではないが、今は心配する程でもない。税理士に資金繰りの説明を受けて、自分でどうしたらいいのかが明確に見えたため安心している。どのくらい使ってもいいのか、自分が考えていることが税理士からはどう見えるのかを教えてもらえるのは大事なこと。
個人事業を始めてから一番順調だと感じる日々だった。
今日は、小太り君の現場である。
昼食をみんなでとっていると山崎社長から電話があった。
急いで電話に出ると
「おっ、出てくれた。昼時にすまんな」 忙しそうな声だった。
「いえ、全然大丈夫ですよ。山崎社長、先日もご馳走様でした」 山崎社長はよく飲みにつれていってくれる。厳しい人だけど、お酒が入ると普段聞けない話も聞けて楽しい時間を過ごせる。取引先の先輩の社長と飲みにいくのは、駆け出しの自分にとっては有難い時間だった。以前のような憂さ晴らしの飲み会ではない。
「おう。また今度飲みにいこうな。そんなことより、来週の金曜の午後空いてないか?急な仕事が入って現場に入れるやつ探しているんだよ」 仕事があるとまずは自分に頼んでくれるのは本当に有難かった。
「ちょっと確認しますね…社長、その日は別の現場入ってまして。すいません。また声かけて下さい」 最近は忙しくなってきて依頼を断ることも増えてきた。
「そうか。残念だけどしかたないわな。わかったぞ。また連絡するな」「社長、いつもありがとうございます!」
頭を下げて電話をきった。力になりたい気持ちは強く、申し訳ない気持ちで一杯だ。
その電話を聞いていた小太り君は「さすが、みやび君売れっ子だね。売れるのも時間の問題だと思っていたよ」
「茶化さないで下さいよ。でも小太り君のおかげでだいぶ事業っぽくなってきたって最近感じます」
「謙虚なこと言って。自分の力だろ。それよりも、お前も従業員雇うタイミングなんじゃないか?」
「そうですかね…人を雇うとか正直よくわからなくって」 人を採用することを考えたこともあったが、正直にどうしたらいいのかが分からなかった。雇うのが良いのか、それとも人を雇うとはどういうことなのか。何をしなければいけなくて、どんな責任が…。雇わなければこれ以上、仕事を受けきれなくなり、山崎社長を含めお世話になっている方々に恩返しできないし、かといって雇ってしまうと私はどうなるのか。期待と不安が交差する。
「まぁ従業員を雇うと始めは大変だって聞くよな。俺も二代目だからさ。初めて従業員雇うっていう経験がないんだよね」 小太り君は豪快に笑っていた。
その晩、改めて従業員について「ねぇ、俺が従業員を雇うって言ったらどう思う」と妻に聞いてみた。
「え、何々?急に何言い出すの。私に聞いても分からないよ。働きたい人いるの?給料どうするの?何か特別なことしないといけないの?」 妻は自分の代わりに混乱していた。そりゃそうだ。これまでの人生で人を雇用することなんてなかった。雇用される側のことは分かるが雇用する側の気持ちなんて全く分からない。
「とりあえず先生に聞いたみたら」 とりあえず税理士に相談しておけ!のいつもの流れになった。
税理士に電話をかけ、会う約束をした。税理士はいつも忙しそうにしている。多くの顧客を抱えて、大変なことが伝わってくる。それでも相談内容を聞いて「お時間ありますか?今度事務所へ来ていただけませんか?」と丁寧に対応してくれる。紹介営業を始めてから、税理士の対応の凄さがよく分かるようになってきた。
昔は鼻につくことも多かったが、多くの経営者と接している税理士の応対については勉強になることが多い。
後日、税理士に「人を雇用すべきかどうか」について相談した。
「みやびさんはどうしたいんですか?」いつもの始まりだ。私の顧問税理士はまず相手に問いかけてくる。そして私は客観的に自分を見ることが出来るようになる。これが居心地よくもあり、答えが見えない時には腹立だしささえ覚えた。
従業員を雇用するメリットを考えてみよう。
・自分の代わりに仕事をしてくれる
・受注する仕事を増やすことができる
・売上が増える。利益が増える?
・自分の時間が増える
実現出来たら最高だ!雇う以外に選択肢はない!という自分と
・うちに来てくれる人なんているのか?
・その人はできるやつなのか?
・仕事は任せられるのか?
・教える暇はあるのか?
・給料はいくらにすればいいのだ?
・合わない場合は辞めさせられるのか?
・「うちの社員は働かない」という愚痴をよく聞くが?
と、雇うのを躊躇する理由がぶつかり合っている。雇わない理由は次から次へと止まることなく頭を駆け巡る。
税理士は私との話し合いを意図的にやめた。「選択は雇う雇わないの2択ですが、どちらも正解でどちらも不正解です」
「決めるのは私ですね」 私が腹をくくらなければ前には進まない。
しかし税理士はいつもと違う反応。
「雇っても大変、雇わなくても大変です。大変さの内容が違うだけです。さて、何を選択するか?ですが、これはみやびさんの今後の生き方そもそもから辿っていく必要があります。みやびさんはこれからどのような人生を歩むのか。歩みたいのか。それが明確になれば、ビジネスをどのように構築していくのかの道筋が見えてきます。その道筋が見えてきたら、人を雇うかどうかに答えを出すことができます」
がんばれ!みやび君。
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など
起業した当初は売上を上げることが第一の優先順位だった。売上をあげ、お金を生み出す。お金を生み出せれば仕事の選択をすることが出来るようになり、ビジネスは成長する。
しかし、その成長はあっという間に止まる。
自分一人でできることは限られている。時間もリソースも無限にはない。売上が増えてくれば、取引する人も増えるからコミュニケーションコストが増え、雑用は驚くスピードで増加する。一人で上げられる売上には限界があるのだ。それか限界を超えて受注をし続け、質を落とすという選択肢もある。どちらにせよ、一人でできることには限界がある。
さて、この問題に出会ったときに多くの人は、自分の働く時間を増やして乗り越えようとするが、それにも限界がある。みやび君が経験したように家庭に問題が起きることも想定される。
そこで選択を迫られる。ビジネスを拡大するか、しないか。2択だ。
一人で限界までやるという選択をする人もいれば、人を雇用してビジネスを伸ばすことを選択する人もいる。あなたはどちらだろうか?
起業し売上を上げるという壁を乗り越えた社長からよく聞く。「人を採用したい」「人を採用したらいいか?」「給与は払えるか?」「どうやって採用したらいい?」「給料はいくらくらいが相場か?」
そして「先生はどう思う?」という問いかけ。
答えは明確だ。「人を採用する」だ。起業したからには常にチャレンジ。歩みを止めたときから衰退がはじまる。
ただし、人を採用した時から売上を上げるだけのゲームから、人を通して成果を上げるゲームに突然チェンジする。そのチェンジに適合できたものだけが次のステージにいける。まったく違うゲームが始まる。
答えは明確だ。「人を採用しない」だ。一人でできる範囲だけをすると決めて起業した。自分が直々に商品・サービスを提供するのが良い。それが最高だと信じている。
ただし、人を採用しなければ忙しくて目が回る日々から解放されることはない。長期休暇とることも難しく、自分が働けなくなったら収入は途絶える。結局、何も問題が解決されないまま毎日を過ごすことになる。
結局、答えはどちらか?
・今、何歳か?
・5年後はどんな生活をしているか?
・10年後は?20年後は?
・家族はいるか?
自分の現状や未来を見据え、決めることになる。誰も答えを出してはくれない。
哲学的な話になるが、自分の生きたい生き方が見えない場合は、答えを出しづらいから、どちらでもいいという話になる。だから、生き方を見つめる必要がある。
次に、考えるのは
・自分が作っているビジネスモデルは、売上はどのくらいになるのか?
・その売上に対して人は何人必要なのか?
ビジネスモデルから採用すべき人数は逆算できる。ここで大きなビジネスモデルを描く人は、ガンガン人を採用すればいい。売上の上げ方はわかっているはずだから、それを止めることなく、増やし続け、同時に人も増やす。
だから、自分の生き方を知って、ビジネスモデルを描く、が良い手順となる。
自分の生き方が見えない場合は、ビジネスモデルで考えるのも良いが、真に望む生き方を変えるのは難しいので、あとで心の葛藤がある。どんなに上手くいっているように見える人でも葛藤を抱えているもの。
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