新人ばかり寄こすな!出来る担当者を連れてこい!

Q.新人ばかり担当につけられている。優秀な人を担当につけて欲しい

A.それなりの顧問料を支払わないと無理です

 

新人が担当?

 

税理士事務所と顧問契約し、契約時には税理士やベテランが窓口となってくれ、とても安心した。でも始まってみると、何も分かっていなさそうな新人が担当になった。

 

このような経験をされた人はいるでしょう。

 

また、数年に一回担当が変わるが、担当が変わるたびに

 

・・・

質が落ちていく。

担当が頼りなくなる。

同じことを何度も説明しなければいけなくて面倒。

・・・

 

このような経験もありませんか。

 

税理士事務所から優秀と言われる担当に担当してもらえない問題について取り上げます。

 

 

税理士事務所に勤める優秀な人とは?

 

そもそも、優秀な担当とはどのような人なのでしょうか。

 

まず税理士事務所の規模感ですが、税理士事務所のうち従業員が5人未満が半数です。10人未満にまで広げると、80%を超えるようです。

 

世の中の大半の税理士事務所が10人未満で運営されています。一方で近年では税理士事務所の大規模化が進んでいて、50人、100人を超える税理士事務所が増えてきています。

 

いわゆる小規模で営む税理士事務所と大規模化する税理士事務所が2極化しています。小規模の中にはあえて自分一人、税理士一人で運営をすることを選択する人もいます。

 

このような状況下で、自分の会社に優秀な担当が付くのか?という話です。

 

10人未満の事務所であれば、優秀な人というのは所長、もしくはNo2当たりでしょうか。もしかすると所長しか担当を持てないこともあります。

 

この所長やNo.2が直接担当を持つとはどのような状況でしょうか。

 

考えられるのは2つ。

 

創業当時からのお付き合いで、かつ、顧問料が高いところは所長らが担当しているかもしれません。

 

もう一つは、難易度が高くて他の人には任せられないところは担当しているかもしれません。

 

しかし、10人前後の税理士事務所にとって所長らが新規の顧問先を担当することは、考えにくいです。10人を超えてくると、所長のマネジメント業務は忙しくなるため、自分で担当を持っている余裕がないというのが正直なところでしょう。

 

では、一人税理士や5人未満の税理士事務所の場合はどうでしょうか?この場合は間違いなく、優秀な担当者は所長になるでしょう。税理士2人で運営している場合もありますから、そのような場合はどちらかの税理士が担当になるでしょう。

 

そのため、税理士直接の担当を希望するのであれば、少人数の税理士事務所を探すと良いです。

 

しかし、一人税理士や小規模事務所は、受けられる案件数に限りがあるため、実際に受けてもらえるかは分かりません。既存の顧問先で手一杯の場合は、断られるでしょう。

 

仮に受けてもらえるとしても、その顧問先よりも高い顧問料を払う覚悟が必要となります。

 

既存の顧問先に迷惑をかけてまで、新規の契約を追っていない可能性も高いです。高い顧問料を払ってくれて、質の良い顧問先を探していると思いますので、それに合致しなければ難しいでしょう。

 

次に大規模な税理士事務所の場合はどうでしょう。

 

大規模事務所の場合で優秀な担当につけてもらうためには、やはりそれなりの顧問料を支払う必要があるでしょう。

 

基本的には上司がいて、その部下が担当になる。何か重要なことがあれば上司が表に出てくる関係が想定されます。そして大規模事務所の場合は数年に一度担当替えがあるため、良い人に巡り会えたとしても、次も相性の良い人に出会えるとは限りません。

 

どの規模の税理士事務所に依頼するにしても、優秀な担当をつけてもらうには、しっかりと顧問料を支払う必要があるということです。他の顧問先より高い顧問料でなければ、優秀な人を自分の担当にすることは難しいでしょう。

 

高いとは税理士事務所が提案するような金額よりももっと高い金額ということですよ。

 

 

なぜ優秀な担当は少ないんだ?

 

優秀な担当が出てこない理由を考えてみます。

 

優秀な担当者は、既に多くの顧客を抱えています。ひと一人が見れる企業数は限られています。しっかり見るのであれば、20社、30社が限界でしょう。50社程度の担当を持たれている人もいるようですが大変だと思います。

 

優秀な人はアシスタントを抱えて、事務作業はアシスタントに任せ自分は顧問先の対応をしているでしょう。所長ではなくても、多少のマネジメント業務をしていることと思います。

 

優秀な人な人には相談が沢山持ち掛けられますから、常に忙しいです。新しい仕事の紹介も受け続けられるため、仕事には困らない状況になります。つまり自分でプレイヤーをやりながら新規開拓をしている状況です。

 

プレイヤー兼マネージャー兼営業マン。

 

様々な経験を通して、税理士としてだけではなく、人間としても大きく成長していることでしょう。

 

どんな相談でもしたいと思っている中小企業の経営者であれば、ぜひ自分の担当になって欲しいと考えるでしょう。

 

さて、このような人は税理士事務所にどのくらいいるでしょうか?

 

・・・

5人未満であれば、候補は所長のみ。

10人前後であれば所長とNo2あたり。

30人前後でも、もしかしたら所長とNo2のみかもしれません。

50人、100人規模であれば複数人いるかもしれません。5人?10人?

・・・

 

中には、殆どを税理士でそろえるような事務所もありますから、そういうところは良いと思います。もちろん、相場より金額は高くなることは言うまでもありません。

 

実は優秀な担当者というのはほとんど存在しないんです。

 

あなたが喉から手が出るほど欲しいと思っていた、優秀な担当者はいないのです。

 

それは、なぜか。

 

税理士資格保有者は独立が可能なため、独立希望の人は早々と独立します。

 

これは理解がしやすいでしょう。組織に縛られるのが嫌になった人は、一人税理士を目指すでしょうし、拡大思考がある人は、独立して拡大を目指すでしょう。

 

これは新しい税理士事務所が出来るということなので、企業側からすると選択肢が増えるわけなので良いこと。

 

しかし、重大な問題があります。

 

税理士事務所が抱える問題があります。

 

結局、人は育たず、辞めていくし、顧客を満足させられる担当は限られている。

 

どうしてこうなっていくのか説明していきます。

 

 

顧客を満足させられない担当者

 

税理士事務所に就職して、修行をつんで、顧問先の担当になり、顧問先の発展のために伴奏する。

 

この綺麗な流れを経験する人ばかりではありません。

 

会計事務所の離職率は一般の会社よりも高いと言われています。辞める人は多い印象です。

 

別の記事でも書きましたが、税理士事務所に勤めて10年くらい経験を積んでも分からないことの方が多い状況なのです。ですが、10年続く人がそもそもあまりいない印象です。

 

仮に10年勤めていたとしても、職場を何度も変えていることでしょう。同じ税理士事務所で10年以上勤めあげる人は少数です。

 

税理士事務所といえど、事務所によって仕事の考え方、進め方は全然違います。だから、転職すると、今まで培ってきたキャリアが全部活かせるわけではありません。また、一から学びなおすことも多いし、事務所の仕組みを知るために、時間を要します。

 

逆に、転職しても上手に対応できるような柔軟さを持ち合わせている人はスーパースターでしょうから、すぐに仕事はいっぱいになります。そのスーパースターを事前に発見して自分の会社の担当にすることが出来た人はラッキーでしょう。

 

話を戻して、税理士事務所の中で人が育っていくというのは、かなり難易度が高いことです。

 

専門職ですから、「同じことを何度も繰り返す」ことになかなか顧客は価値を感じてくれません。だから、成長する必要があります。顧客も成長しますから、税理士事務所の職員も成長する必要があります。

 

しかしながら、税理士事務所に勤める人の中には成長を望まない人も多くいるでしょう。事務職のイメージが強いことも原因ですが、専門職のわりに「同じことを何度も繰り返す」工場のような仕事も沢山存在しているからです。

 

この分野は「同じことを何度も繰り返す」ことに抵抗のない人たちが担当することになりますが、その人たちは別に専門的な知識や経験を求めているわけではありません。

 

事務所内では早く正確に成果物を仕上げることが求められているのに、顧客からは高度な知識を求められる。ギャップがありすぎます。

 

そのため、税理士事務所の中には内勤と外勤を分けているところもあります。製販分離という言葉が流行りました。事務所内で決算書などを仕上げる製造部門と、外で顧客対応をする販売部門です。それとは別に、製造も販売も一人で担当する顧客の担当制を採用しているところもあります。

 

雅税理士事務所は製販分離を実施しています。これは税理士事務所の考え方によるため、どちらが良いとか悪いとかはありません。

 

顧客にとっては、自分の窓口になってくれる人が優秀であればそれでいい話ですから。

 

担当制のところは、本当に担当者次第。担当者ガチャに当選するかどうか。大きい規模の税理士事務所だと担当者ガチャは数年に一度。そのたびにハラハラすることになります。

 

小規模の事務所で良い担当者に当たった、そこのあなたはラッキー。大事にしてあげてください。良い関係が続けば、最高のパートナーになるでしょう。しかし、良い担当者が税理士受験生なら、いずれ独立やキャリアアップのために転職や独立をする可能性は高いです。

 

いまいちな担当者にあたった、そこのあなた。担当者は成長するかもしれません(笑)しない場合は、ずっと我慢です(笑)もしくは、担当替えをお願いしましょう。代わる担当者がそもそもいないかもしれませんが・・・

 

製販分離のところは、どうでしょう。分業制のため、比較的優秀な担当者が付きやすい印象です。そして、分業制であるがゆえに、担当者は多くの顧問先を抱えているでしょう。

 

良い顧問先もあれば、嫌な顧問先もある。あなたはどっち側になるでしょう。

 

沢山の担当先があるからこそ、比較出来てしまうため、好きな顧客にはサービスが厚くなるでしょう。嫌な顧客は敬遠される。あなたも選ばれる立場になっているかもしれません。顧客を選ぶなんて、ひどい!と思うかもしれませんが、担当者も人の子。

 

優秀な人が担当について喜んでいたのに、向こうから担当替えを言われてしまった、なんて経験ある人もいるんじゃないですか。

 

 

優秀な担当者をつけてもらうために

 

税理士事務所から優秀な担当者をつけてもらいたければ、それ相応のお金を払うこと。

 

これが最低限の条件です。

 

別に難しい話ではないのですが「税金を払うために」税理士に依頼している人には理解できないことでしょう。

 

お寿司を安く食べたいなら100円寿司に行けばいいし、最高のお寿司を食べたければ高いお金を払って高級寿司店にいけばいい。とても簡単なこと。

 

だけど、税理士に至っては「払いたくない税金の計算のために、払いたくない税理士報酬を払う」という強い信念をお持ちの方もいらっしゃいますので、この考えは通じなくなります。

 

良いものが欲しければ金を払う。

 

あなたの商売も、沢山お金を払ってくれる人は大事にするでしょう。自分の立場にたってみれば簡単。

 

次に、税理士事務所も、他の業界と同じく人手不足。職員に辞められると、新しい職員の採用は困難を極めます。

 

職員がいなければサービスの提供は出来ないため、職員を大事にするのは必然になる。だから、重要ではない顧客の対応は後回し、もしくは解約へと進む。それが職員を守る術になるためです。

 

だから、税理士事務所の職員に怒鳴ったり、質問に無視したり、脱税相談をしているような人は、税理士事務所から煙たがられているはずです。間違いありません。

 

職員が嫌がるからです。職員が自分の子供だと思えば分かりやすいかもしれません。

 

子供がいじめられていて喜ぶ親はいない。自分の職員が顧客から脱税を強要されていたり、理不尽に怒鳴られていたら、嫌な気持ちになります。大事な顧客とは見られなくなる。ごく自然な感情かと思います。

 

だから、優秀な担当者をつけてもらいたければ、相場より高い料金を払って、高圧的な態度をとらないこと。そして、自分に合う担当者を探し続けること。

 

当たり前で、ごく普通の回答になってしまって申し訳ないです。

 


 

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